「最近の宅建業法、"いくつあるか"の問題が増えていないか?」――受験生の多くが感じているこの体感は、データで見ても本当でした。
このサイトの過去問データベース(平成25年〜令和7年)を使い、宅建業法(問26〜45)の各問を出題形式で3つに分類しました。
- 単純正誤 … 「正しい(誤っている)ものはどれか」。4つの肢から1つを選ぶ、昔ながらの形式。
- 個数問題 … 「正しい(誤っている)ものはいくつあるか」。4肢すべての正誤を判定しないと解けない。
- 組合せ … 「正しいものの組合せはどれか」「全て掲げたものはどれか」。
まず、全13年の推移を見てください。
宅建業法問26〜45を対象。バーは各年20問(令和元〜3年は集計上19)の内訳。 令和2・3年はコロナ禍で二度実施のため10月本試験。
令和7年、個数問題は「半分」に達した
紺色の帯(個数問題)が、令和7年でぐっと伸びているのがわかります。令和7年は個数問題が20問中10問(50%)。これは平成25年以降で最多です。
直近3年を並べると、変化は一目瞭然です。
- 令和5年 … 個数7問(35%)
- 令和6年 … 個数3問(15%)
- 令和7年 … 個数10問(50%)
令和6年でいったん減ったぶん、令和7年の急増が際立ちます。単純正誤(9問)を個数問題(10問)が上回ったのは、集計した13年間で令和7年が初めてです。
なぜ「個数問題」は難しいのか
個数問題が手強いのは、1肢でも自信がないと答えが出ないからです。
単純正誤なら、4肢のうち「これは明らかに誤り」と1つ確信できれば正解できます。消去法が効く。しかし個数問題は、4つすべての肢について「○か×か」を言い切る必要があります。3肢まで完璧でも、残り1肢が曖昧なら、正しい個数を確定できません。
同じ知識量でも、問い方が「個数」になるだけで、必要とされる精度が一段上がる。これが「最近の業法は難しくなった」という体感の正体です。
個数問題は、本当に実力を測れているのか
個数問題(や「2つ選べ」型)は、受験生の実力を正確に測る形式とは言い切れないと考えています。
理由は、全4肢の正誤を、たった1つの解答に畳み込んでしまうからです。「誤っているものを2つ選べ」で考えてみてください。
- 4肢のうち3肢を正しく理解していても、残り1肢を取り違えれば、選ぶ組み合わせがずれて不正解になりえます。部分的な理解には、点が付きません。
- 逆に、2つの肢で正誤を取り違えている人でも、その勘違いがかみ合えば(正しい肢を誤りと、誤りの肢を正しいと取り違える、といった形で)、たまたま選んだ2つが当たって正解になることがあります。
つまり、理解の量と得点が、ときに逆転する。よく分かっている人が落とし、勘違いの多い人が拾う――そういうことが構造上起こりえます。個数問題が「難しい」のは事実ですが、その難しさは"実力の高さ"を素直に反映しているとは限らない、というのが私の見方です。
とはいえ、試験でそう問われる以上、対策しないわけにはいきません。 そして、その対策こそが、このサイトが最初からこだわってきたものです。
だからこそ、肢別の一問一答にこだわった
個数問題に構造的な穴があるとしても、攻略の方向ははっきりしています。1肢ずつ、自信を持って「○か×か」を言い切れるようにする。これに尽きます。
- 「誤っているものはいくつあるか」に強くなる唯一の道は、4肢すべてを個別に裁けるようになること。まぐれ当たりを、実力に変えるということです。
- 4択の中から相対的に"一番あやしいもの"を選ぶ消去法は、もう通用しません。3肢まで切れても、最後の1肢を言い切れなければ個数は確定しないからです。消去法の時代は、令和7年で終わったと言ってもいい。
- だから、問題単位ではなく「肢単位」で〇×+理由を反復する練習がいちばん効きます。
このサイトが過去問を、4肢まとめての4択ではなく、1肢ずつの一問一答(肢別)で解ける形にしているのは、まさにこのためです。令和7年で個数問題が半分を占めたことは、裏を返せば「肢を1つずつ確実にする」学習が、いよいよ正攻法になったということ。消去法の時代から、肢別の時代へ。 その備えは、もう始められます。
なお、問われている論点そのものは、過去問で繰り返されてきたものばかりです(別記事「令和7年の宅建業法は、過去問だけで何点取れたか」で1問ずつ検証しています)。形式が個数に変わっても、土台は過去問。過去問を「全肢言い切れる」レベルまで肢別でやり込むことが、そのまま個数問題対策になります。
まとめ
- 令和7年の宅建業法は、個数問題が20問中10問(50%)=過去13年で最多。
- 令和5年(7問)→令和6年(3問)→令和7年(10問)と、直近で急増した。
- 個数問題は全4肢の正誤を言い切る精度を要求する。難化の正体はここ。一方で、部分的な理解が点に反映されにくく、実力を正確に測る形式とは言い切れない面もある。
- 消去法はもう通用しない。 攻略法は、肢別の一問一答で1肢ずつ○×+理由を言い切れるようにすること。このサイトが肢別にこだわってきた理由です。論点自体は過去問の反復。
令和7年 全50問の「テキスト・過去問の根拠」を一覧で確認できます。
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