法令上の制限は、数字と要件の暗記がそのまま点になる科目です。都市計画法、建築基準法、農地法……覚えてさえいれば取れる。だからこそ「過去問が効くのか」がはっきり出ます。
宅建業法・権利関係(民法)に続く第3回。令和7年(2025年)の法令上の制限8問を検証します(前後の科目へは記事末尾のリンクから移動できます)。
数字・要件は、過去問でそのまま問われていた
冒頭のデータのとおり、令和7年の法令上の制限8問のうち、半数が過去問とほぼ同型でした。
- 問17(建築基準法) … 「大規模の修繕にも建築確認が必要」という頻出ひっかけ。令和2年・問17とまったく同じ論点です。
- 問20(土地区画整理法) … 令和元年・問20で問われた要件。
- 問22(国土利用計画法) … 事後届出の要件は平成27年・問21と同型。
- 問19(盛土規制法) … 規制区域内の手続き。
とくに問20(土地区画整理法)は、過去問と本試験で問題文の書き出しがまるごと一致しています。並べてみてください。
同じ論点:仮換地の指定があっても、変動登記の制限が始まるのは『換地処分の公告後』。書き出しの一文がそっくり。
問22(国土利用計画法)も、一団の土地の事後届出という頻出パターンがそのまま再登場しています(面積の数字が変わっただけ)。
同じ論点:一団の土地の事後届出。判定面積に算入するのは対価性のある取引だけ。市街化区域の基準は2,000㎡。
問17(建築基準法)は、建築確認が必要な工事かどうかを問う定番です。
同じ論点:『着工前に建築確認を受ける』ルール。新築だけでなく、一定規模の大規模修繕も確認の対象になる。
法令は、要件の数字(面積・期間・許可/届出の別)がそのまま選択肢になるため、過去問で覚えた数字が直接得点につながります。
【保存版】令和7年の法令上の制限も、多くが"あの過去問"だった
残りの問題も、テーマ別に並べます(各カードをクリックで過去問↔本試験)。
都市計画法
問15(地域地区の定義) — 地域地区の定義は毎年問われる頻出テーマ。
同じ論点:地域地区の定義を入れ替える『定義すり替え』は頻出。近隣商業地域は『近隣住民への日用品供給』が主眼。
問16(開発許可の要否・面積) — 何㎡から開発許可が要るか。
同じ論点:区域区分が定められていない都市計画区域では、3,000㎡以上の開発に許可が必要。面積の数字がそのまま急所。
盛土規制法
問19(保全義務は誰が負うか) — 新法ですが、この論点は旧法から引き継がれています。
同じ論点:土地を常時安全な状態に維持する努力義務(保全義務)を負うのは、所有者・管理者・占有者。工事主ではない。
盛土規制法は新しい法律ですが、「保全義務は誰が負うか」のような骨格の論点は、旧・宅地造成等規制法の時代から繰り返し問われています。
「新論点」も少しある――ここだけは最新年度で補う
一方で、令和7年の法令には過去問だけでは対応しづらい新傾向の問題もわずかにありました。最大の理由は法改正です。
代表が盛土規制法。2023年に宅地造成等規制法から大きく変わった新しい法律で、古い過去問では旧法のままです。こうした分野は、過去問の蓄積が浅いぶん、最新年度の問題やテキストで補う必要があります。
過去問は何年分遡ればいい? 法令は「直近5年は必須+骨格は10年」
法令上の制限は、改正の影響を最も受けやすい科目です。遡り方は分野で分けるのが正解です。
- 都市計画法・建築基準法の骨格(用途地域、建築確認、接道義務など)は安定。10年遡っても有効。
- 盛土規制法のような改正・新法の分野は、直近5年(できれば最新年度)を最優先。古い過去問は旧法なので注意。
つまり「直近5年は全分野必須、骨格論点はさらに10年まで」。改正分野だけは新しい年度を厚く、が鉄則です。
まとめ
- 法令は数字・要件の暗記がそのまま点。過去問の数字が直接効く。
- ただし改正・新法(盛土規制法など)は過去問の蓄積が浅いので、最新年度で補う。
- 遡りは直近5年を全分野、骨格はさらに10年。改正分野は新しい年度を優先。
3科目の検証を通じて見えたのは、令和7年の本試験は、その大半が過去問で繰り返されてきた論点でできていたということです。「なぜ過去問なのか」の答えは、ここにあります。各問が具体的にどの過去問・どのテキストに対応するかは、下のボタンの全50問検証ページでご確認ください。
令和7年 全50問の「テキスト・過去問の根拠」を一覧で確認できます。
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