「建てる前に確認」——建築確認とはどのような手続きか?
建築確認 ここで押さえておくべきキーワード
「違法な建物を未然に防ぐ」——工事前の事前チェック制度
建築基準法の各種規制(用途・斜線・建蔽率・容積率等)に違反した建物が建てられてしまっては困ります。そのため、一定規模以上の建築物については、工事着手前に「この計画は法令に適合しているか」を確認する手続きが義務づけられています。これが建築確認です(法6条)。建築主は確認申請書を提出し、確認済証の交付を受けてから工事を着手しなければなりません。
この規制で何を学ぶ?どう出る?
Bランクで12問の出題実績があります。試験では「特殊建築物で用途部分の床面積が200㎡超は建築確認必要」「木造建築物で3階以上または延べ面積500㎡超・高さ13m超・軒高9m超は建築確認必要」「木造以外で2階以上または延べ面積200㎡超は建築確認必要」「防火・準防火地域外での増改築10㎡以下は建築確認不要」「用途変更で同一グループ内(類似用途)への変更は建築確認不要」の5点が繰り返し問われます。
なぜ押さえる必要がある?
建築確認は工事着手前の法律適合チェックです。確認を受けずに着工した場合は違法建築となり、最終的に建物の除却を命じられる可能性があります。宅建業者として新築・増改築を伴う取引を扱う場合は、建築確認の要否と取得状況の確認が重要な業務となります。35条書面での建築確認の説明義務もあります。
前提として何を知っておく?
→ 建築基準法の構造
建築基準法の概要を先に確認します。建築確認は単体規定・集団規定いずれの適合も審査しますが、本節では「どんな場合に確認が必要か」という要否判断に集中して学びます。
建築確認が必要なケース(法6条1項)
建築確認が必要な建築物の種類は3区分に分かれます(法6条1項1〜4号):
① 特殊建築物(法6条1項1号):学校・病院・劇場・百貨店・ホテル・共同住宅・自動車車庫等の特殊建築物で、その用途に使用する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものは全国どこでも建築確認が必要です。新築だけでなく、増築・改築・移転・大規模修繕・大規模模様替も対象です。
また、200㎡超の特殊建築物に用途変更する場合も建築確認が必要ですが、同一グループ内の類似用途への変更は建築確認不要(法87条1項)。たとえば「ホテル→旅館」「劇場→映画館」等の類似用途間の変更は確認不要です。
② 木造建築物(法6条1項2号):木造建築物で次のいずれかに該当するものは全国で建築確認が必要です:
- 地階を除く階数が3以上
- 延べ面積が500㎡超
- 高さが13mを超える
- 軒の高さが9mを超える
これらのどれか一つに該当すれば確認が必要です(ANDではなくOR)。
③ 木造以外の建築物(法6条1項3号):鉄筋コンクリート造・鉄骨造等の木造以外の建築物で次のいずれかに該当するものは全国で建築確認が必要です:
- 階数が2以上
- 延べ面積が200㎡超
木造の「3階以上・500㎡超」より要件が低い(2階以上・200㎡超)ことに注意してください。鉄骨造の2階建て(200㎡以下でも2階以上に該当)は確認が必要です。
④ 都市計画区域等内の建築物(法6条1項4号):都市計画区域・準都市計画区域等の内にある建築物については、①〜③に該当しないものでも建築確認が必要な場合があります。
建築確認が不要なケース(法6条2項)
防火地域・準防火地域外での増築・改築・移転で、その部分の床面積が10㎡以内であれば建築確認は不要です(法6条2項)。
重要なのは「防火・準防火地域外」という条件です。防火地域または準防火地域内では、10㎡以下の増改築であっても建築確認が必要です(例外なし)。この違いを「防火地域外の軽微な増改築は緩和あり」として押さえます。
| 建築物の種類 | 確認が必要な要件 | 適用範囲 |
|---|---|---|
| 特殊建築物 | 用途使用部分の床面積 200㎡超 | 全国 |
| 木造建築物 | 3階以上 OR 延べ面積500㎡超 OR 高さ13m超 OR 軒高9m超 | 全国 |
| 木造以外の建築物 | 2階以上 OR 延べ面積200㎡超 | 全国 |
| 上記以外の建築物 | (新築等) | 都市計画区域・準都市計画区域等のみ |
建築確認の手続きの流れ
建築確認が必要な場合の手続きは次の流れで進みます:
① 確認申請書の提出:建築主が建築主事等(建築確認を担う行政機関の職員または指定確認検査機関)に確認申請書を提出します(法6条1項)。
② 確認済証の交付:建築主事等が計画内容を審査し、建築基準関係規定に適合していると確認した場合は確認済証を交付します(法6条1項)。確認済証を受け取ってはじめて工事を着手することができます。確認済証の交付前に工事を開始してはなりません。
③ 工事着手:確認済証の交付を受けた後に、建築工事を開始します。
④ 完了検査:工事が完了した後、建築主は建築主事等に完了検査の申請を行います(法7条1項)。審査の結果、適合していれば検査済証が交付されます(法7条5項)。
また、一定規模以上の工事では中間検査(工事途中での確認)も義務づけられています(法7条の3)。
既存不適格建築物(法3条2項):現存する建築物が、建築後に法令改正によって現行基準に不適合になった場合、その建物を「既存不適格建築物」といいます。この場合、ただちに法令に適合させる義務はありませんが、増築・大規模修繕等を行う場合には現行法の確認申請が必要になります。
ここまでの要点は?
- 特殊建築物:用途部分の床面積200㎡超は全国で確認必要
- 木造建築物:3階以上か延べ面積500㎡超か高さ13m超か軒高9m超は全国で確認必要
- 木造以外:2階以上か延べ面積200㎡超は全国で確認必要
- 確認不要の例外:防火・準防火地域外での増改築10㎡以下
- 用途変更:同一グループ(類似用途)への変更は建築確認不要
- 手続き:確認申請書提出→確認済証交付→工事着手→完了検査→検査済証交付