「マンションの重要事項はどう決める?」— 集会の招集・決議・効力
集会 ここで押さえておくべきキーワード
「エレベーターを付け替えたい——全員を集めないといけない?」
区分所有建物において共用部分の大規模変更・規約の設定・建替え等の重要事項を決定するのが「集会」です。集会では「誰が招集するか」「何日前に通知するか」「何分の何以上の賛成が必要か」が法定されており、手続きに不備があると決議が無効になります。
集会で何を学ぶ?どう出る?
40問が出題される、区分所有法の中で最も出題が多いユニットです。「集会の招集(管理者が招集)」「招集通知は集会の日の1週間前まで(規約で伸縮可)」「議決権(専有部分の床面積割合)」「各種決議の要件(普通・特別・特別特別)」が頻出です。特に「書面・電磁的方法による決議」「集会の決議は区分所有者の特定承継人にも効力が及ぶ」が試験で問われやすいです。
なぜ押さえる必要がある?
マンション管理では集会が意思決定の場です。招集手続きを誤ると決議が無効になる可能性があります。また「今度の管理組合の集会でXX工事の決議をする予定」という物件を取引する際に、適法な手続きかどうかを確認する能力が求められます。
前提として何を知っておく?
「議決権」は原則として専有部分の床面積割合に従います(区分所有法38条)。「区分所有者の数(頭数)」と「議決権(持分割合)」の両方を満たすことが必要な決議もあることに注意します。
集会の招集
集会は管理者が招集します(区分所有法34条1項)。管理者がいない場合は、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有する区分所有者が招集を請求または自ら招集できます(区分所有法34条3項〜5項)。この5分の1という数字は規約で減ずることができます(増やすことはできません)。
招集通知:集会の招集通知は、集会の日の少なくとも1週間前に発しなければなりません(区分所有法35条1項)。規約で伸長(例えば2週間前)も短縮も可能です。通知には「会議の目的事項」を記載する必要があり、記載のない事項は原則として議決できません(区分所有法37条)。
普通決議と特別決議
普通決議:区分所有者の頭数の過半数かつ議決権の過半数(区分所有法39条1項)。共用部分の軽微な変更(管理行為)や日常的管理事項が対象。
特別決議(3/4):区分所有者の頭数の3/4以上かつ議決権の3/4以上の賛成。対象となる事項:①共用部分の大規模変更(形状・効用の著しい変更)、②規約の設定・変更・廃止、③義務違反区分所有者への競売請求(区分所有法59条)。
特別特別決議(4/5):区分所有者の頭数の4/5以上かつ議決権の4/5以上の賛成。建替え決議(区分所有法62条)が対象——最も重い決議要件。
| 決議の種類 | 頭数 | 議決権 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| 普通決議 | 過半数 | 過半数 | 管理・軽微変更 |
| 特別決議(3/4) | 3/4以上 | 3/4以上 | 大規模変更・規約変更・義務違反者競売請求 |
| 特別特別決議(4/5) | 4/5以上 | 4/5以上 | 建替え決議 |
書面・電磁的方法による決議・議決権行使
区分所有者全員の書面または電磁的記録による合意があれば、集会の決議を省略できます(区分所有法45条2項)。賛否の書類が全員分揃えば集会を開かなくても決議と同じ効力があります。
また集会に出席できない区分所有者は、書面または代理人を通じて議決権を行使することができます(区分所有法39条2項)。代理人の数に制限はありませんが、規約で制限を設けることが可能です。
議決権は専有部分の床面積の割合によりますが(区分所有法38条)、規約で別段の定めも可能です(一住戸一票等)。
集会の決議の効力
区分所有者の特定承継人への効力:集会の決議は、専有部分を購入した新オーナー(特定承継人)にも効力が及びます(区分所有法46条1項)。例えば管理費の滞納がある専有部分を購入した場合、前のオーナーの滞納分も新オーナーが引き継ぐ可能性があります(管理規約による)。
占有者への効力:区分所有者以外で建物を占有する者(賃借人等)も、建物の使用方法に関する規約および集会の決議に従う義務があります(区分所有法46条2項)。また占有者は集会に出席して意見を述べることができます(決議権はありません)(区分所有法44条1項)。
ここまでの要点は?
- 集会は管理者が招集。招集通知は1週間前(規約で変更可)。
- 普通決議:頭数・議決権各過半数。特別決議(3/4以上):大規模変更・規約変更・義務違反者競売。4/5以上:建替え。
- 書面全員合意で集会省略可(区分所有法45条2項)。
- 集会の決議は特定承継人(新オーナー)にも効力が及ぶ(区分所有法46条1項)。
- 占有者(賃借人等)も使用方法に関する規約・決議に従う義務あり。