税は、宅建の受験生が最初に「捨てようかな」と考える分野です。10問あるうちの2〜3問。専門用語は多いし、他の科目と毛色も違う——その気持ちは分かります。
ところが、収録過去問の全肢(非公開扱いを除く2,778本)を走査して意外な数字が出ました。課税標準・税率・非課税に触れる肢は107本、その誤り率は74.8%——期間・主体・区域・絶対表現、今回調べた全類型の中で最高です(全肢の基準値は56.7%)。
4本に3本がウソ。これは悪い知らせに聞こえて、実は逆です。ウソが多いということは、ウソの型を知ってさえいれば切れる肢が多いということ——しかも税のウソの型は、驚くほど狭い範囲で繰り返されています。

軸は1本——取得の瞬間は都道府県、持ち続けたら市町村
税のウソの第一の型は、「誰が」と同じ課税主体の入れ替えです。そして宅建で出る地方税の主体は、1本の軸で覚えられます。
| 場面 | 税 | 課税するのは |
|---|---|---|
| 不動産を取得した瞬間 | 不動産取得税 | 都道府県 |
| 不動産を持ち続けている間 | 固定資産税 | 市町村 |
実物がこれです。軸を持ってからめくってください。
令和5年の問24は、不動産取得税を「市町村及び特別区が課する」としました——都道府県の税です。逆向き(固定資産税を都道府県に付け替える)も定番。取得は一度きりの大きな出来事だから広域の都道府県、保有は毎年の身近な課税だから市町村、と理由ごと持てば逆立ちしません。
繰り返されるウソの型——狭い的を、角度を変えて撃ってくる
107本を読み分けると、ウソは少数の型に集まっています。
| ウソの型 | 実例 |
|---|---|
| 課税主体の入れ替え | 取得税を市町村に(R5問24) |
| 納め方の入れ替え | 取得税を「申告納付」に(R3・10月・問24)——正しくは普通徴収(納税通知書が届く) |
| 課税対象者の入れ替え | 固定資産税を「賃借人に課税」(H29問24)——1月1日の所有者 |
| 存在しない上限の持ち込み | 固定資産税の税率は「1.7%を超えられない」(H27問24)——標準税率1.4%はあるが上限の定めはない |
| 期日・期間ずらし | 縦覧は「毎年4月1日から」(R4問24・これは正しい肢) |
注目してほしいのは4つ目——存在しない縛りの持ち込みです。盛土規制法の「5m未満は指定できない」と同じ型が、税でも使われています。教材のどこにも無い上限が出てきたら、でっち上げを疑う。この読み方は分野をまたいで通用します。
そして期日は期間分析の箱がそのまま使えます——賦課期日は1月1日・縦覧は4月1日から。年始に決めて、春に見せる、の2枚だけです。
結局、どうするか
- 「取得は都道府県・保有は市町村」の軸を最初に持つ。 課税主体のウソはこの1本で全部切れます。
- 納め方をセットで覚える。 取得税も固定資産税も普通徴収(納税通知書が届く)。「申告納付」と書いてあったら疑う。
- 見たことのない上限・縛りは、でっち上げを疑う。 税率の上限、非課税の縛り——教材に無いものは無い、と言い切る度胸が1点になります。
税は「難しいから捨てる」分野ではなく、ウソの型が狭いから、型を知った人から順に取れる分野です。10問中の2問、軸1本と型5つで拾いにいってください。